日本のうちわの由来、丸亀うちわの由来、丸亀うちわの形種、丸亀うちわの名称、丸亀うちわの歴史(江戸〜明治)(大正〜現在)、うちわ製造47工程、日本各地のうちわ、国の伝統的工芸品「丸亀うちわ」、登録有形民俗文化財「丸亀うちわの製造用具及び製品」、FUNFAN展(2006〜2011.2)の調査・再構成などを行い、丸亀うちわに関するパンフレットとDVDを制作しました。
「うちわ製造47工程」と言われていましたが、明確な資料がなく、伝統工芸士 長戸氏の監修で、「うちわ製造47工程(2010年版)」を考察、制定しました。
丸亀うちわパンフレット2010
うちわ製造47工程(2010年版)
丸亀うちわづくりには、骨工程、印刷工程、貼り工程があります。
1本のうちわができるまで、47の工程があります。
※47工程あると言われながら明記された資料は残っていません。工程2010年度版として考察しました。
骨工程 | |||
1. | 竹穫り | うちわづくりに適した竹(真竹3〜4年)を竹山より切り出します。 | |
2. | 竹挽き | 竹をうちわの種類に適した長さ(約40cm〜50cm)に鋸で切断します。竹の先の細い部分で鎌用の竹を取ります。切断されたものを管(くだ)と呼びます。 | |
3. | 管浸け | 管を水に浸し加工しやすくします。 | |
4. | 節くり | 節の凸部をかんなで削り取ります。 | |
5. | 胡子(ごし) | 柄の皮質を削り取ります。 | |
6. | 木取り | 管をうちわの幅になたで割っていきます。 | |
7. | ふしはだけ | 一定の幅に割った竹の節を除きます。 | |
8. | 内身取り | 穂になる方の内身を取ります。 | |
9. | 割き | 「切込機」にて穂先より約5cm位のところまで切り込みを入れます。 穂の数はおおよそ35〜40本。種類によって異なります。 | |
10. | もみ | 上部5cm程切り込みを入れた竹を左右にひねり、曲げて竹の繊維に沿って基部(節)までもみおろします。 | |
11. | 穴あけ | 鎌(弓竹)を通す穴をふしの部分にあけます。(これは三つ目錐が用いられます。) | |
12. | 柄削り | 切り出し小刀にて柄削りをします。 | |
13. | カンナかけ | 身の部分をカンナで削り取ります。 | |
14. | 柄加工 染め | 染料にて柄を染めます。(タキ) | |
15. | 柄加工 ヤキ | 薬品にて模様を焼き付けます。 | |
16. | 柄加工 細工 | 小刀等で柄を加工し細工します。 | |
17. | 柄加工 塗り | 漆など塗料を塗ります。 | |
18. | 鎌竹木取り | 鎌管を鎌の幅になたで割っていきます。 | |
19. | 鎌竹削り | 切り出し小刀にて加工します。 | |
20. | 糸とり | 糸束を適切な長さの糸とり板に巻き付け、適切な長さに切ります。 | |
21. | 折り付け | 穂の元部を作業がやりやすいように折り付けます。 | |
22. | 編み | 鎌(弓竹)を通し、その一端に糸を縛り付けて穂を編みます。(上物のうちわには絹糸、或いは色の付いた糸を使用します。) | |
23. | 付け | 編み上がったうちわ骨はうちわの種類に応じて鎌(弓竹)に形をつけ、糸山の高さや形等を調整し左右対称になるように糸をとじつけ仕上げます。 | |
24. | 束 | 仕上がった骨を250本を単位に束にします。 | |
印刷工程 | |||
25. | 地紙印刷 | 昔は木版印刷、現在は主にオフセット印刷です。 | |
26. | あと名入れ印刷 | 店名などを印刷します。 | |
貼り工程 | |||
27. | 耳摘み | 穂の左右の不要な部分を切り取ります。 | |
28. | 紙断ち | 地紙を貼りやすいように裁ちます。 | |
29. | 糊炊き | うちわ貼りに適した糊を作ります。 | |
30. | しと | 地紙を水に付け、水分を含ませます。 | |
31. | 糊付け | うちわ骨の穂の部分に刷毛で糊を付けます。 | |
32. | 元糊 | 紙の元の部分に糊を付けます。 | |
33. | 貼り | 地紙を糊の付いた竹骨の裏表に貼ります。 | |
34. | 網入れ(渋の場合) | 地紙補強の網を入れます。 | |
35. | ささらかけ | ささらをかけて、しわをのばします。 | |
36. | あご切り | 貼り込み(全貼り)の場合、鎌より下の余った部分の紙をやすりで切り取ります。 | |
37. | たたき | うちわの種類に応じた一定の形の「たたき鎌」を当て余分な部分を切り取り、うちわの形に仕上げます。 | |
38. | へり紙 糊付け | 作業台を濡れ布巾で湿らせその上に10本単位で連なったへり紙を貼り刷毛で糊をつけます。 | |
39. | へり取り | うちわの周囲にへり紙を貼付けます。 | |
40. | みみ紙 糊付け | 作業台を濡れ布巾で湿らせその上にみみ紙を貼り刷毛で糊をつけます。 | |
41. | みみ貼り | うちわの種類によりみみ紙を、糸をとじ付けた鎌の両端に貼ります。 | |
42. | 作業台を濡れ布巾で湿らせその上にぎぼし紙を貼り刷毛で糊をつけます。 | ||
43. | ぎぼし貼り | 貼り込み(全貼り)のうちわの穂の元にぎぼしを貼ります。 | |
44. | 糊塗り(渋の場合) | ベンガラ(顔料)を混ぜた糊を塗ります。 | |
45. | 渋塗り(渋の場合) | 柿渋を塗ります。 | |
46. | 筋入れ | 仕上がったうちわを筋入れ機に通し、竹骨の筋目を入れます。 | |
47. | 荷造り・出荷 | 以上でうちわ製造の全ての工程を終えます。 仕上がったうちわは、組合、各販売業者の所に集められダンボールに詰め出荷されます。 |